ヤマハWR155Rを試乗し、週末のサプライズを求めてチパミンキスを探索

週末をポジティブな活動で満たすのはエキサイティングなことである。特にバイクでの冒険を趣味とする者にとっては。私がヘルミとカン・エカの2人の同僚と一緒にやったように。

私たちはトレールバイクに乗って観光地や人里離れた場所を探検する。目的は明確で、美しい自然を見てリフレッシュすることと、オフロードバイクでなければ走れない道を探すことだ。

 

私たちはそれぞれ違う車種のバイクに乗った。私はヤマハのWR155Rに乗り、ヘルミはホンダのCRF150L、カン・エカはカワサキのKLX150BFで同行した。どれもノーマルな状態で別名への変更はなく、すでに走行可能な状態だった。

ライダーも特別な準備はせず、追加した荷物はレインコートのみだ。現在梅雨に入ったためだ。

 

今回の議題がインドネシアのバイク市場における3台の150ccトレールバイクの証明、テスト、比較であることも忘れてはならない。

 

目的地は、西ジャワのボゴールにある観光地、チパミンキスの滝だ。急勾配と急カーブを繰り返す地形で知られている。アスファルトから始まり砂の道、乾いた土、泥の道。このアドベンチャーは兼用のバイクを使うのでその分大変だ。しかし計算してみると、目的地へはジャカルタの南からわずか60km。この近さでどんなサプライズが待っているのだろう。

 

レストランに集合したあと、ふたたび準備に取り掛かる。腹を満たしガソリンを満タンにして、荷物をバイクの後ろにくくりつけた。

目的地へはピーク2のルートで行くことになった。南ジャカルタ方面から市内の舗装路のルートを通り、シテウラップ地区へ。

しかし残念なことに、ラリーポイントを通過してからわずか30分後、驚きの事態が訪れた。雨が降り出しレインコートを着なければならなくなったのだ。廃屋になった小屋に立ち寄り雨宿りをした。防水バッグを使っていたので幸い荷物は濡れずに済んだ。

 

大雨がやまないので旅を続けることにした。デュアルパーパスタイヤのWR155Rが濡れた舗装路でどのような性能を発揮するか確認するためだ。他のメンバーも同様で、装着しているタイヤもIRCブランドのもの。輪郭はセミラフで、トレッドはボクシーでタイトになりがちだ。ちなみにWRのホイールサイズはフロントが21インチ、リアが18インチ。

あまり誇れるものがない印象だった。なぜなら、本来の生息地はアスファルトの上ではないからだ。しかし濡れた路面を走らせると十分である。剛性は保たれているが少しうるさい。

 

このバイクは、ハンドリングを安定させるとされるセミダブルクレードルモデルのフレームで作られている。たしかに少し濡れた路面でのハンドリングはかなり積極的だ。操りすぎない限りコントロールしやすい。

気をつけなければならないのは、シフトダウンを早くしすぎないこと。バイクのコントロールを失わないように勢いを調節しながら賢く操縦する必要がある。

さらに曲がるときにはお尻を反対方向にずらす必要がある。忘れてはならないのは、脚は曲がる方向に倒すことだ。その結果スムーズな走行が可能になる。

WR155RのシートはYZシリーズのスタイルで作られており、フラットで後方に伸びている。そのため操縦時の着座位置が決めやすかった。

 

シテラップ地区に入りチバダックまで進むと、何度も道に迷った。デジタルマップが不正確だったのだ。そのため交差点に差し掛かったら必ず地元の人に聞くことにしていた。

しかしそれは私たちにとって障害にはならなかった。それが冒険のたのしさだからだ。ぐるぐる回ることから始まっても最後には美しい光景を目にしひとときの楽しみを得ることができる。

 

チバダック地区に入ると、涼しげな自然の風景が広がった。しかし道はせまく、上り坂で村々を通過しなければならず、少し苦労した。コミュニティガーデンや野生の森など、私たちの求めていた景色に出会えた。

 

雨が小降りになったので休憩する場所を探すことにした。偶然にも山を背にした谷があった。フォトスポットとして悪くない。場所はメインの道から200mほど離れていた。岩場や雨で滑りやすくなったダートを走らなければならない。

ダートに入ると、たちまちトラクションが無くなる感覚に襲われる。後輪があちこちに出てしまったのだ。しかしそこはWR155Rの本来の生息地なので問題ない。

 

ひと休みして写真を撮ったあと、ふたたび上へ向かう。またもや上り坂、コーナリング、岩場が続く。途中に平滑な舗装路はもうない。不規則なポットホールはシパミンキの餌になり始めた。しかしWR155Rはそれを軽々と越えていく。

 

WR155Rのフレームはどんな地形にも対応できる強みがある。しかし134kgの重量と880mmのシート高には少し難があった。173cmの身長では足が完璧には踏ん張れないのだ。特に、迷走してUターンなどをしなければならないときは余計な力が入る。一度乗ってしまえば忘れてしまう点ではあるが。

899.1mmのフロントサスペンション長と245mmの地上高のおかげで岩場の輪郭やおう穴はもはや問題ではない。

 

急峻(きゅうしゅん)な道を行くとき、このバイクから驚きを貰った。155cc、1気筒、SOHCのエンジンで楽々と征服することができたのだ。特にVVA(可変バルブ機構)により上り坂でのラグ効果やパワーロスがない。また、どの回転数でもトルクを感じることができた。

工場出荷時の記録から判断すると、16.7psのパワーと14.3Nmの最大トルクを発生することができる。他の150ccダートバイクに比べもっともパワーがある。それにリアスプロケット(リアギア)は51目を使っている。

迷うことなく加速し続けることができた。その結果ヘルミとカン・エカは取り残されてしまった。ふたりとも勢いを求めたり戦術的にギアを切り替えたりするのに忙しかったのだ。バイバイ。

 

途中、このバイクの足回りの快適さも実感した。

ショックアブソーバーはやはり正立式で、直径41mm、ストローク215mm。マウントとは違い逆さまになっている。それでも高速で穴にぶつかったときのドタバタ感は倒立式に劣らない。

リアは油圧式で硬度調整可能なモノクロスリンクタイプを採用。そのためショックの減衰がゆるやかに振られる。そのためお尻がすぐに痛くなることもない。

 

気がつけば空は暗くなっていた。まだ目的地には到着していない。夜のとばりと小雨を突破する。WR155Rのライディングは十分すぎるほどだった。黄色い電球のおかげで雨や霧を透過してくれるのだ。こんなとき白色光のLEDライトは役に立たないように思える。

 

チパミンキスの観光地に到着したときには、すでに19時を回っていた。開いている屋台は1軒だけだった。他の店はすでに閉まっていた。パンデミックの影響で観光地が低迷している影響ですでに閉店してしまった店もあるだろう。

しかし私たちが真っ先に考えるのはどこに泊まるかということだった。昼から濡れていたライディングをすべて脱ぎ、乾いた服に着替え、栄養補給をして胃袋を満たすかたわら、どこで寝るかという話になった。というのも、3人ともキャンプの準備などしていなかったのだ。

 

店主に聞くと、私たちがくつろいでいるすぐ後ろに民宿があることが分かった。あたたかい毛布とマットレスを敷くだけで手間がかからない。

ちょうど100m歩いたところに宿はあった。さまざまなバイクが部屋の前に並んでいる。コテージの前で服を乾かしていると、管理人のアバが焚火とブラックコーヒーを用意してくれた。ああ、放浪の喜び。

 

片づけを終えてから、これまでの行程を3人で振り返った。それと同時に翌日のルートも検討する。ダートと岩で遊ぶことがメインのルートなので、バイクの性能がすべて明らかになる。森を切り開くのにもっとも適したバイクはどれか。その証明の場になる。

 

夜の会話ではWR155Rが人気だった。彼らがそう認めた。

かなり極端な上り坂に出会ってもWR155Rはなんの問題もなく走っていく。同じインジェクションシステムを採用しているヘルミのCRF150Lでさえ追いつけないのだ。ふたりとも勢いをコントロールするのに精一杯だった。

ダンピングの話をするときも同様だ。WR155Rの正立式フロントサスペンションは倒立式モデルに匹敵するものだ。

しかし重量とシート高に関しては負けを認める。これは個人的な問題で、私の背は高くないからだ。それ以外の点ではこのバイクはコントロールしやすいと思う。

 

翌日は誰よりも早く目が覚めた。昨日からずぶ濡れになっているライディングウェアを乾かしたいのだ。この日は太陽がまぶしかった。このまま帰国まで天気がもってくれるといいが・・・。せめて衣類だけでも先に乾かしたい。

ほどなくして2人も目を覚まし、私と同じようにウェアを干した。コーヒーが出されこの先のルートの相談が始まる。初日は硬い路面が多かったため、2日目はダートの探検ルートに期待したい。せめて泥の上に岩があるような。そこで目的地はジョンゴルのグヌン・バトゥに決定した。

宿からそう遠くないところにかなり急な坂があると管理人のアバが教えてくれた。オフローダーが朝食をとる場所だという。最終目的地から1車線。宿の前では前身泥まみれのライダーたちが森の奥へ向かっていくのが見えた。もちろん置いて行かれるわけにはいかない。アドレナリンも出したい。私と2人は出発することにした。

 

ロッジから5分ほど歩くと、葉の生い茂った細い道が現れた。少し近所に入ったところだ。普段周辺住民が利用しているかなり急な下り坂を見つけた。

分岐する道があれば各自違う方へ進む。目的は走行可能なルートを見つけることだ。メインルートの右側には渓谷が点在しているからだ。一体なにができるのだろうとすぐ極端な道に入り、アドレナリンが出始める。

 

通過する地形は濡れた土に滑りやすい石が混じっている。それに出口が見つからない。迂回しなければならないようだ。バイクをUターンさせなければならないので私の耐久力が試される。バイクはかなり重く、道幅もせまい。しかし大丈夫だ。これも冒険。なにごとも即断即決ではない。

 

続けてグヌン・バトゥ地区へ。途中に棚田状の農地を発見。つまり頂上まで行くのがたのしい道だ。WR155Rで先頭を走る。高い段差で簡単にゴボウ抜きできてしまうのだ。CRF150LとKLX150BFが続くが、終点まで行くにはもっと努力が必要だ。

頂上についたとき、行き止まりであることに気がついた。ああ、またUターンしなければならない。ここで恐れていたことが起こった。柔らかい地面でバイクをコントロールできなくなった。まあいいさ、たのしい体験だったんだから。

その点でいうとCRF150LやKLX150BFは大違いだ。重量はやはり120kg前後。シート高も足が届きやすい。2台はここでは問題なく走った。

 

道路に戻るとおう穴がひどくなっている。しかし以前ハイキングコースを通ったことがあるので、そんな等高線は無意味だ。水溜まりがあるので深呼吸してガスを抜く。水しぶきがそれなりの感覚を与えてくれる。濡れている?そうだ、リスクはある。

険しい道だがWR155Rのブレーキシステムは心配無用だった。フロント、リアともにウェーブタイプのディスクを採用している。ABSの表示がないにもかかわらずかなり満足のいくものだ。

 

8時間近く走ったところで最後の難関に到達した。大きな岩山が見えてきた。みんな一斉に駆け出し、追いかけっこをした。そうして3台のテストセッションを終えた。緑が美しく目にもたのしい場所でフィニッシュだ。

 

休憩をはさみながら、それぞれの乗り味について3人で意見交換をした。

WR155Rについては「一番パワフル」という結論になった。エンジン容量が大きいからだ。ただ重量とシート高が厄介なのだ。サスペンションはこれまで過小評価されていたが実は大満足で、たのしささえ与えてくれた。要はこのバイクに感動している。

CRF150LとKLX150BFについての2人の視点はどうだろうか。

 

Test Ride Yamaha WR 155 R: Eksplorasi Cipamingkis, Cari Kejutan Tualang Akhir Pekan | Oto