ヤマハWR155R試乗レビューその2:オフロード編

昨日に引き続きヤマハのWR155Rの試乗レビューをする。今回はダート、砂地、岩場などオフロードでのレビューだ。WR155Rはオンロードとオフロード、2つの路面を走行できるデュアルパーパスモデルだ。

 

このクラスのダートバイクでもっともパワフルなWR155Rのオンロード性能を疑う必要はない。VVA(可変バルブ機構)付き155cc4ストロークエンジンを搭載し、WR155Rのパワーをリアホイールに最適に伝達する。ビッグパワー、ビッグトルク、そして息の長いバイク。スーパーモトには十分な性能だ。

 

さて、本来の生息地であるオフロードコースに持ち込まれたときの印象はどうか。大きなエンジンとパワーを持つWR155Rは、オフロードに持ち込まれても単独で脱出できる。

 

今回行ったのは上り坂の岩場のコース。もともとは近道として使われていたが、現在は雨で浸水してしまうことが多くなった。つまり雨が降るとコースは川になる。土がほとんど残っていないことからも分かる。大小さまざまな岩で埋め尽くされ、おう穴や段差の多い道になっている。しかもWR155Rは腕がマッチョになってしまうほどの重さがある。

そのあと、トラック道路である山岳コースにも連れて行った。路面は岩、土、砂でカーブも多い。しかし上り坂なら間違いない。で、結果は?

 

サスペンションが特に良い。通常の正立式フロントサスペンションを装備しているが、41mm径のインナーが生み出す減衰力は驚くほど良好だった。かなりの高速走行(70km/h)をしても大丈夫だ。

リアサスも良い。硬いとか言ってる人、おいおい。柔らかい乗り心地を求めるならスズキに乗ろう。寝てしまうこと請け合いだ(笑)

個人的にWR155Rのリアサスはすばらしい。柔らかすぎるサスペンションは好きじゃないのだ。大事なのは、ジャンプしたときに体が後ろに倒されるような感覚がしないこと。それで十分だ。そしてこのWR155Rはすべてに応えることができる。

 

次にブレーキング。これには言葉を失う。フロント、リアともにブレーキがすばらしい。ソフトなのにしっかりしている。岩場や砂地が続くコーナーでは何度もリアブレーキを強引に踏み込まなければならなかった。オフロードコースでスピードを出したいとき、WR155Rのブレーキ性能は基本的にはとても頼りになる。

 

パワーに関しては私から言うことは何もない。ただそのパワーを活かすだけだ。息も長い。

 

言わなければならないのは重量についてだ。WR155Rに乗り慣れていない人がこのバイクでオフロードに行くと息がつまるかもしれない。このバイクは背も高いし、重量もある。もし障害物にはまって地面が凹凸しているのに急停止しなければならなくなったらと想像してみてほしい。

一度バイクが倒れてしまったら起こすのは難しい。しかも排気口が左側にあるため左から立たせるのは難しい。

でもそれがオフロードの課題でもある。さまざまな条件下で巧みに、そして器用に対応しなければならないのだ。

 

結論から言うと、ヤマハのWR155Rはオフロードをするなら我々の望みに応えてくれるとても有能なバイクだ。パワーキック、ロングブレス、良いサスペンション、良いブレーキ。本音を言えばフロントショックブレーキの能力はKLX150BFと同クラスだ。

皆さまのお役に立てると良いのだが。

 

Review Test Ride Yamaha WR155R Part 2: Off Road - MOTOMAZINE